8月日本市場の崩壊、何が起こったのか?

Tue Oct 08 2024

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日本市場の崩壊で何が起こったのか?

2024年8月の初め、米国のマクロ経済データが悪化し、失業率やPMIが弱含んだため、ドルが弱し、USD/JPYペアトレードや安価な円/低金利の日本を利用したキャリートレードの巻き戻しが引き起こされました。

その当時、円キャリートレードやペアトレードはかなり一般的なコンセンサスだったため、次の日にQuant FundやMacro Fund多くのヘッジファンドで自動的な損切り(Loss Cut) が一斉に始まりました。

これに拍車をかけたのが、今年初めのもう一つの動きです。中国政府が国内でQuant Fundを禁止したため、中国のほとんどのQuant Fundは、流動性が十分にあり、同じタイムゾーンで取引できる大きな市場を探し始めました。そして、その答えは日本に行き着いたのです。

上記の2つが組み合わさり、2015年に中国で起きた「津波レベルの崩壊」が、10年後に日本で再び起こることになりました。

私は友人のソブリンファンドの運用者と昼食をとっていましたが、日経平均が昼食中に-7%から-13%に動いたことに対して、二人とも言葉を失いました。

どう対処したのか?

ショートポジションを追加して抵抗しましたが、指数レベルでの2日間の急落(18%)や個別株での30-40%の急落には、Loss Cutを余儀なくされました。しかし、一つだけ上手くやったことは、すぐに有望な銘柄を買い戻すことでした。これが8月を乗り切る助けとなりました。

2015年に中国市場で活動していたQuant Fundはアルゴリズムを改良するかもしれませんし、新しいAI Quant Fundもこの大きなカジノに参入するかもしれません。しかし、一つ変わらないのは、人間が抱く貪欲と恐怖です。それが必ずしも悪いことではない場合もあります。少なくとも、人間は底値でのLoss Cutを恐れますが、機械は市場をもっと壊しても恐れません。